核家族化が進み、孤立した子育て環境に陥りやすく、また、インターネットの普及により、情報があふれ、どの情報を選択してよいか迷い、かえって子育てに関する不安が増してしまう現状があります。早期教育の流れに歯止めが利かず、幼児期の健やかな発達がゆがめられています。人間の基礎を育てる子ども期に、どのような子育て環境が必要か、子どもの発達について長年研究されている広木克行さん(神戸大学名誉教授)より学びます。広木さんは20年以上にわたって不登校の子どもと親の教育相談などに携わるとともに、保育や学校現場にも通い、子どもと教育の現実に向き合いながら研究を続けておられます。子育て中のママさんパパさん、子どもに関わる職業の方々、ぜひご参加ください。
2015年3月22日(日)10:00~12:00
会場:子どもセンター
講師:広木克行氏(神戸大学名誉教授)
参加費:一般1200円 会員・学生800円
定員:50名 *保育はございません
<広木克行先生プロフィール>
1945 年樺太生まれ。東京都立大学卒業。東京大学大学院博士課程単位取得/ 教育行政学専攻。神戸大学発達科学部教授、大阪千代田短期大学学長を歴任、現在神戸大学名誉教授。不登校の子どもと親の相談に20 年以上関わるとともに、各地で保育・教育の講演、学習会、子育て相談を続けている。
著書『手をつなぐ子育て』(かもがわ出版)、『保育に愛と科学を』『子どもが教えてくれたこと』(北水)、『子どもは育ちなおしの名人』(清風堂書店)など。
「子どもセンターニュース NO.54」より
広木先生の講演を聞くと、勇気づけられます。私がはじめて先生の講演を聞いたのは、今11歳の長男が年中くらいの頃でした。
広木先生のお話は、スッと胸に入り、理解することが出来ました。子育てを楽しんで、前向きに考えられるヒントをもらえたのだと思います。
子育てはみんなが初心者から始めます。でも、マニュアルはなくて(それらしい書籍はありますが)、子どももそれぞれ個性があって、一筋縄ではいかない。
親になって、右も左もわからないまま、子どもを立派に育てなくちゃ、みたいな感覚になってしまって、必死になる。
親も不安です。私も子育てのなかで、いつも不安を感じます。こんな時、どうしたらよいのだろう?と思うこと、多々あります。なんでいうこと聞いてくれないの?なんで、何回言ってもわからないの?なんてしょっちゅうです。でも、広木先生のお話を聞くと、ぶれていた気持ちを修正することが出来て、また前向きに子育てに向かっていける、そんな風に気持ちを切り替えることが出来ます。
先日の講演のテーマは、子どもは「育ちなおし」の名人!でした。いくつになっても、育ちなおしが出来るという内容でした。手遅れなんてなくて、なんとかしたいって思った時がスタートラインで、そこから子どもはガラッと変われる、大人が変われば子どもも変わるということを教えてくださいました。
また、社会全体が子どもへの無関心があり、それが行政にもあって、例えば保育園の待機児童解消のため、規制緩和をして、園庭が無くても保育園が出来てしまうなんてことになっているのが現状だそうです。
確かに、最近大きなかごに小さな子どもたちが入れられて、移動する姿をよくみますが 先生の言う通りで、園庭があれば、車通りの多い場所を移動せずとも外遊びが出来ますし、そのような環境は子どもたちにとっては必要な環境であるにもかかわらず、大人の都合で子どもたちにしわ寄せが来てしまっているのではないでしょうか。 また、今の世の中には、早期教育を煽る情報が多く、子どもを立派にと思う親心から、良かれと思って、様々なものを与えてしまう。が、それが本当に子どものためなのか、子どものためにって本当は何なのだろう?という、私たち親が今、当たり前のように子どもにさせていることを、スタートラインから考える機会を与えてくれるのが、先日の講演内容にあり、非常に印象に残りました。
我が家には小5と小3の男の子がいます。長男はいま、ダンスが楽しいようで、いきいきと踊る姿をみるとこちらまで楽しくなります。一方次男は習い事はしていません。それを友人などに話すと、「何か習い事させなくちゃね」とよく言われます。確かに、お稽古事や塾など、今の子供は本当に忙しいです。でも、習い事しなくちゃいけない、なんてこと、ほんとはないと思えるようになりました。
好きなことを見つけて、それに打ち込めるのは素敵なこと。でも、親が良かれと思ってさせることが、子どもにとっても幸せなのかは、分からないと思うのです。広木先生のお話から、私は待ってみようと思えるようになりました。条件付きで子どもをみるのではなく、そのままのわが子を大切に思えるような、そんな親でありたいと思います。(みえ 小5・小3の母)